ラベル UV硬化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル UV硬化 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015/02/25

4/23にパシフィコ横浜で講演します。

講演題目
UV硬化樹脂の硬化過程の解析と応用(ナノインプリント、3Dプリンター、多孔化)
講演概要
□日 時 : 2015 年4 月23 日(木) 15:10-16:05 (50 分間+質問5 分間)
□場 所 : パシフィコ横浜 アネックスホール
□コース名 : UI-4 紫外線技術の応用(1)プロセス応用
展示会URL
講演内容
紫外線の照射によりわずか1秒程度で光沢のある固い樹脂膜を形成することができるUV硬化樹脂は、エレクトロニクス、自動車、建材などさまざまな産業に使われている。一方でUV硬化樹脂の硬化過程ではモノマー同士が複雑に組み合わされた三次元網目構造を形成しているため解析が難しく、これまで本格的な研究はなされてこなかった。UV硬化樹脂の応用範囲が今後より高度化していく中で、硬化物や硬化過程の解析の重要性は今後益々増加していくと考えられている。
本講演ではUV硬化樹脂の硬化過程の解析と応用について最新の研究事例を紹介する。

(1)硬化過程の解析と硬化シミュレーション
ラジカル系UV硬化樹脂では空気中の酸素による重合阻害反応が起こり、重合ムラやタックの原因になる。ここではreal time FT-IRを使用した硬化過程のモニタリングと測定結果の解析法、硬化シミュレーションについて説明する。

(2)ナノインプリント樹脂の表面硬度と紫外線の光学系
紫外線の照射方法(具体的には照度分布)により樹脂の表面硬化度が変化することをロールツーロールナノインプリントプロセスでの具体例を紹介する。

(3)モデル3Dプリンターによって造形された樹脂の硬化ムラ
UV硬化樹脂の3Dプリンターを模した系において、酸素阻害反応が硬化物の重合ムラに及ぼす影響を実験とシミュレーションにより解説する。

(4)紫外線硬化樹脂を使用した新しい多孔化の方法
UV硬化樹脂を使用した独自の多孔フィルムの作成プロセスについて、トピックスを紹介する。

2011/11/20

ネイルエキスポ2011に参加

今年もネイルエキスポに参加してきました。ジェルネイルを研究する者にとって業界の情報を肌で感じることができる大切なイベントです。

会場は東京ビックサイトの東ホールで、去年よりも会場は広く感じました。イベントスペースと各ブランドのブースがうまく分かれていて、とても見やすかったです。

会場 東京ビックサイト
訪問日 11月20日


さて、今年の感想ですが、次のようなことを感じました。

  • 託児所 子供を連れてネイルエキスポに来ることができるようになっていました。

  • 国産ジェルネイル すべて国産で安全性をアピールしていたブランドがありました。

  • アジア勢の台頭 今年は前回にもまして中国や韓国のブースがにぎやかでした。

  • 紫外線を当てると色が変わるネイル フォトクロミック技術を応用して、紫外線が当たると色が変わる何ともきれいなジェルネイルが紹介されていました。色の変化から簡易的に日中の紫外線強度を知ることができるそうです。
  • LEDとランプ 昨年はLEDが席巻するかなと思っていたのですが、従来の紫外線ランプもまだまだ使われていました。
来年も参加して、しばらくは定点観測を続けるつもりです。

2011/08/06

Photo DSCによる紫外線硬化樹脂の硬化過程の解析法(実践編)

Photo DSCによる紫外線硬化樹脂の硬化過程の解析法(実践編)を掲載しました。
ご質問等ございましたらお知らせください。













2011/07/24

研究紹介

最近は研究分野が多岐にわたり、色々なつながりができつつあります。そこで、これまでの研究を論文とともにふりかえりつつ、現在の研究内容を紹介させていただこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

私は、博士後期課程において高分子微細発泡成形の可視化観察とモデリングという研究テーマを与えられた。この研究では、高分子中で気泡が生成し成長する様子をその場観察可能な可視化実験装置及び画像解析システムの開発と実験結果の数値シミュレーションによる解析を行った。私が在職している京都大学は世界的に見てもトップクラスの高分子の研究者が多数奉職されており、化学工学が専門でも高分子の知識が乏しかった私は、多くの先生方からのご指導をいただきながら研究を進めてきた。

高分子の微細発泡成形とは、高分子中に無数の気泡を発生させる一連の成形加工法のことである。この成形法で作られた高分子発泡体は、断熱材、衝撃吸収材、防音材、軽量材、低誘電率材、液晶テレビ用の光反射材など様々な用途において実用化されている。国内市場の規模はおよそ2000億円である。従来、高分子発泡体の製造には気泡のもとになるガスとしてフロンや代替フロンが使用されてきた。しかし、これらの物質はオゾン層破壊係数や地球温暖化係数が高いため、モントリオール議定書や京都議定書において製造や使用が制限されている。そのため発泡成形業界は新たなガスとして環境負荷の低い窒素や二酸化炭素を代替ガスとして1990年代後半から研究を開始した。

高分子発泡成形に関する代表的な物性として、ガスの溶解度、拡散係数、高分子の粘度、表面張力がある。これらの物性は、フロン系ガスから低環境負荷の二酸化炭素などに切り替えるだけで、がらりと変化してしまい、従来の発泡成形の操作条件では従来と同等品の発泡体が製造できなくなることが明らかになった。そこで、発泡成形の原理原則に戻り研究開発すべきだという気運が高まったが、発泡成形の学術的な研究は、私が研究を始めた当初はほとんど成されておらず、原理原則が何であるかさえ私にはわからない状況であった。

そこで、私は指導教員の下、発泡成形の物理現象を解明すべく、高分子へのガスの拡散係数と溶解度を測定する装置の開発、気泡核が生成する過程、気泡が成長する過程、気泡同士が合一する過程について可視化観察可能なオリジナルの実験手法を考案し次々に新しい成果を発表することができた。[1-7] オリジナルの実験手法を頼りに、数多くの民間企業から多くの解析依頼の申し出があり、実用的な系での解析も行った。

高分子発泡成形では、拡散過程と核生成成長過程が関係することから、従来の化学工学が範疇としてきた輸送現象論のなかで拡散方程式や運動方程式で支配される現象の研究をしてきたことになる。そのため、同様な輸送現象が関与する乾燥プロセスによる構造形成の研究にも着手した。[8-14] その後、助手として同じ研究室に奉職することになり、博士後期課程での経験をふまえて、発泡体の気泡径を数十nm以下までの微細化を目指した新たな研究を開始した。[15, 16]

発泡成形を超える新たなテーマ探しにも着手した。[17-20] 私がこれまで続けてきた研究について見直し、私自身の強みとして、実験装置の開発能力と輸送現象論をベースとした数値モデリング能力にあると考えた。そしてさらにフィールドを広げるために、化学反応を伴う反応拡散過程の輸送現象論に研究対象を広げることにした。

そこで2009年頃から反応拡散系の輸送現象として、UV硬化樹脂の反応系コーティングプロセスの解析を研究することにした。UV硬化樹脂の国内市場規模は1600億円である。UV硬化樹脂はUV(紫外線)を照射すると瞬時に硬化する工業材料で、iPad(R)などの傷つき防止用のハードコートや、フロアーコート、光ファイバー、接着剤、銀歯などの代わりに使われる歯科補填材、半導体のポジレジストなど実に多くの応用分野がある。

このUV硬化樹脂の硬化過程は、モノマーが重合する過程から成り、モノマーの重合と重合の阻害剤となる酸素の拡散が競争しておこる過程である。多くの反応が数秒以内に完了するため解析が難しく、世界的に見ても真の反応速度定数を測定することは未だにできていない。硬化過程の現象論的な解析はこれまでも多く成されてきたが、輸送現象と反応工学的な立場からの解析は不十分であり、UV硬化プロセスには設計方程式や実プロセスでの検証といった視野での研究は皆無である。また、多くのUV硬化プロセスはモノマーの蒸発を伴い、硬化膜内での組成分布ががときとして深刻なトラブルになるが、乾燥と硬化反応を組み合わせた研究例もない。

そこで、UV硬化樹脂の基礎研究を始めるために、従来私が研究してきた高分子の微細発泡成形とUV硬化樹脂の特性を活かした「光誘起相分離による革新的低誘電率膜成形プロセス」をNEDO・新エネルギー産業技術開発機構の若手グラントに応募し、研究費を得ることができた。この研究費をベースに、最先端の分析装置を複数購入し、かつ新たな低誘電率膜の製造プロセスを構築し、これまでよりも1/10 ~ 1/100も処理時間が短く誘電率の低い膜を作成することができた。[21] 低誘電率膜は、高速情報通信時代に無くてはならない材料であり、さらなる高速化のために既存製品の低誘電率化が渇望されている。本年5月に無事に中間審査を突破し、残り2年間で大面積の低誘電率膜が製造可能な装置の開発を行う。

UV硬化樹脂の新たなアプリケーションの一つに、ジェルネイルと呼ばれるものがある。ジェルネイルとはUV硬化樹脂を爪に塗りオシャレを楽しむ方法で、従来のマニキュアに比べて長持ちすることや光沢の良い膜を作成できることが人気のある理由である。ジェルネイルなどのネイルケア産業の国内市場は2000億円であり拡大を続けている。

もともとUV硬化樹脂は工業材料として使用されてきており、強いUV強度と不活性ガス雰囲気下で残留モノマーが残らないように硬化されてきた。しかし、ジェルネイルでは、ネイルサロンや一般家庭で使用されることが想定されるため、強い紫外線を発するランプや窒素ガス発生器などを使用することができず必然的に未反応モノマーが残留する条件が整っていると言える。私はこのような状況を鑑み、ジェルネイルにおいて安全な施術法を研究するに至っている。また、UV硬化樹脂の基礎研究の立場から見てもシンプル且つこれまで誰も研究していない内容であるため、有用性が極めて高いと考えている。すでに、ジェルネイルに関して発熱や残留モノマーの定量的な評価方法を提案し、民間企業と情報交換を行っている。

発泡成形の研究で培った拡散系の輸送現象に化学反応を取り入れることで反応拡散系の相分離プロセスの研究を始めた矢先に、銑鉄用コークスのモデル化の研究をしてみませんかとお誘いを鉄鋼協会から個人的にいただいた。銑鉄用コークスは、高炉の中に鉄鉱石と互い違いに敷き詰められており、鉄鉱石の還元と熱源に使われる非常に重要な工業原料である。銑鉄の善し悪しの7,8割はコークスで決まるとされている。国内の銑鉄用コークスは売買されることはないが、鉄鋼製品の市場規模から類推すると1兆5千億円の市場規模がある。

銑鉄用コークスの原料は石炭である。これまで日本企業はコークスに最適な石炭を世界中のどこからでも購入することができたが、最近の中国のめざましい発展により、日本企業はコークス原料用の石炭購入で買い負けている。しかたなくコークスに不適な石炭をどうにかこうにかして使用しているが、そもそも石炭がコークスになる過程の理論的な解析が不十分であるため膨大な試行錯誤が続けられている。石炭からのコークス生成過程は、石炭が熱により分解し、揮発成分が化学反応により生成し、ぶくぶくと泡になり空隙を形成する。空隙の周りが熱により硬化することでコークスができるものと考えられている。そこで、気泡の生成と成長過程の可視化とモデリングに詳しく、反応拡散系の輸送現象を得意とする私に白羽の矢が立てられ、一緒に研究することになった。

現象を厳密に扱えば到底モデル化ができないコークス生成過程を化学工学的なセンスでモデル化し、気泡の生成、成長、合一の数値シミュレーションを可能にしている。この知見をもとに、コークスに適さない石炭からも良質のコークスを製造するためのプロセスを提案することが私に課せられた責務である。コークス問題は日本の鉄鋼業の生死をかけた熱い戦いでもある。

日本の化学系産業は新興国の台頭と先進国との熾烈な競争にさらされ、有用な化学原料資源を持たない我が国はきわめて厳しい状況におかれている。化学工学を専門とする学者は、自分の強みを最大限に発揮して、なりふりかまわず日本の化学産業を支えて行かなくてはならない。さもなければ日本の未来は暗く希望のないものになる。高度成長期に化学工学が勃興を極めたように、今の時代に、化学工学者ができることはきわめて多い。

研究紹介では、学術的な進歩を述べることが慣例であるが、あえて私の研究と産業界との関わりについて述べた。産業界との連携の基礎となる基礎研究は、実際に使われてこその基礎研究である。学者は、勝手に問題を設定し専門家を名乗ることができる希有な職業である。産業プロセスから問題を見つけて、産業に役立つような実践的な研究をすることができる学者であり、今まさにそれを目指している。

プラスチック、UV硬化樹脂、低誘電率膜、爪、コークスと研究対象は多岐にわたるが、その背景にある物理現象は、反応拡散と相分離であり、化学工学がこれまで脈々と研究対象としてきたものである。プロセスの裏に隠れた現象を見いだし、化学工学の手法で問題解決をしていく。できることなら、このようなことをさらに広げていきたい。


1. Taki, K.; Tabata, K.; Kihara, S.-i.; Ohshima, M., Polymer Engineering & Science 2006, 46 (5), 680-690.
2. Taki, K.; Nitta, K.; Kihara, S.-I.; Ohshima, M., Journal of Applied Polymer Science 2005, 97 (5), 1899-1906.
3. Taki, K.; Yanagimoto, T.; Funami, E.; Okamoto, M.; Ohshima, M., Polymer Engineering & Science 2004, 44 (6), 1004-1011.
4. Taki, K.; Nakayama, T.; Yatsuzuka, T.; Ohshima, M., J. Cell. Plast. 2003, 39 (2), 155-169.
5. Taki, K., Chem. Eng. Sci. 2008, 63 (14), 3643-3653.
6. Taki, K.; Kitano, D.; Ohshima, M., Industrial & Engineering Chemistry Research 2011, 50 (6), 3247-3252.
7. Sharudin, R. W.; Nabil, A.; Taki, K.; Ohshima, M., Journal of Applied Polymer Science 2011, 119 (2), 1042-1051.
8. Todo, M.; Park, J.-E.; Kuraoka, H.; Kim, J.-W.; Taki, K.; Ohshima, M., J. Mater. Sci. 2009, 44 (15), 4191-4194.
9. Kim, J.-W.; Taki, K.; Nagamine, S.; Ohshima, M., Langmuir 2009, 25 (9), 5304-5312.
10 Kim, J.-K.; Taki, K.; Nagamine, S.; Ohshima, M., Journal of Applied Polymer Science 2009, 111 (5), 2518-2526.
11. Todo, M.; Kuraoka, H.; Kim, J.; Taki, K.; Ohshima, M., J. Mater. Sci. 2008, 43 (16), 5644-5646.
12. Kim, J.-W.; Taki, K.; Nagamine, S.; Ohshima, M., Chem. Eng. Sci. 2008, 63 (15), 3858-3863.
13. Kim, J.-K.; Taki, K.; Nagamine, S.; Ohshima, M., Langmuir 2008, 24 (16), 8898-8903.
14. Kim, J.-K.; Taki, K.; Ohshima, M., Langmuir 2007, 23 (24), 12397-12405.
15. Taki, K.; Waratani, Y.; Ohshima, M., Macromol. Mater. Eng. 2008, 293 (7), 589-597.
16. Otsuka, T.; Taki, K.; Ohshima, M., Macromol. Mater. Eng. 2008, 293 (1), 78-82.
17. Adachi, H.; Taki, K.; Nagamine, S.; Yusa, A.; Ohshima, M., The Journal of Supercritical Fluids 2009, 49 (2), 265-270.
18. Nakai, S.; Taki, K.; Tsujimura, I.; Ohshima, M., Polymer Engineering & Science 2008, 48 (1), 107-115.
19. Ogawa, H.; Ito, A.; Taki, K.; Ohshima, M., Journal of Applied Polymer Science 2007, 106 (4), 2825-2830.
20. Funami, E.; Taki, K.; Ohshima, M., Journal of Applied Polymer Science 2007, 105 (5), 3060-3068.
21. Taki, K.; Okumura, S., Macromolecules 2010, 43 (23), 9899-9907.

2011/07/21

ラドテック研究会入門講座(大阪)で講演

7月13日に、私も幹事をさせていただいておりますラドテック研究会のUV/EB入門講座で講演を指せていただきました。この講演会では、大学の先生や企業の研究者が、主に企業の若手社員に紫外線や電子線硬化の初歩的な内容を講義するものです。

総論、モノマー、開始剤、照射装置、測定法、UVインクと多岐にわたる内容が説明されてました。とくにBASFの方の開始剤についてのご説明はとても勉強になりました。

私は、real time FT-IR、photo DSC、photo rheometerの3種類の測定法で、紫外線硬化樹脂の硬化過程を追跡する際の方法や再現性向上のために気をつけておかなくてはならない点を説明しました。


講演会は、以下の講師の方に講演していただきました。
第30回UV/EB表面加工入門講座(大阪)

期 日:2011年7月13日(水)9:30~16:40
会 場:大阪科学技術センター 中ホール
大阪市西区靭本町1-8-4 TEL 06-6443-5324

<講師と演題>*都合によりプログラムの変更がありました
1) 9:30~10:20 「UV硬化技術総論」
大阪府立大学 角岡 正弘 氏

2) 10:20~11:10 「UV/EB硬化モノマー」
荒川化学工業㈱ 澤田  浩 氏

3) 11:10~12:00 「光重合開始剤」
BASFジャパン㈱ 鮫島 かおり 氏

12:00~13:00 *****  昼 食  *****


4) 13:00~13:50 「UV硬化装置とその応用」
㈱GSユアサ 麻田 隆志 氏

5) 13:50~14:40 「EB硬化装置の現状と展望」
㈱NHVコーポレーション 岡崎 泰三 氏


14:40~15:00 ♪♪♪♪♪  コーヒーブレイク  ♪♪♪♪♪


6) 15:00~15:50 「UV硬化樹脂の硬化過程の評価法」
京都大学大学院 瀧 健太郎 氏

7) 15:50~16:40 「UV/EB硬化型インキ」
東洋インキ製造㈱ 上田 英俊 氏

2011/02/05

LabVIEWと研究

日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(以下、NI)が販売しているLabVIEWというプログラミング環境とデータ取込ボードを愛用している。LabVIEWとは一言で言えば、アイコンをつなげていくことでプログラムを作成可能な言語となるのかもしれないが、なかなか奥の深いものである。

http://digital.ni.com/worldwide/japan.nsf/main?readform

私は小3のころからアセンブラなどの低級言語やN88 BASICなどの高級言語を使ってプログラミングを独学で勉強してきた。CやJavaなども書いてきたが、コード量の多くなる言語は苦手で、実行速度よりも、開発速度の速い言語を好んできた傾向にある。最近では、MATLABとLabVIEWがお気に入りである。

キャラクターベースのプログラミング言語に慣れ親しんでいるとLabVIEWは強烈なカルチャーショックを受ける。While文は繰り返したいアイコンを枠で囲むとか???なとまどいが最初はあった。

LabVIEWを始めなくてはならなくなったきっかけは、あるPJで熱伝導率計を作成しなくてはならなくなったからだ。アナログインプット、アナログアウトプット、4つのPID制御、4入力、3出力の制御系を組むためにNIの営業マンと相談し、有料セミナーを受講し、同時にComapctDAQとDAQモジュールを購入した。セミナーはとてもよく短期間でLabVIEWの神髄を習得できた。CompactDAQでのLabVIEWプログラミングもサクサク進み、1ヶ月ほどで、プロトタイプが完成し、3ヶ月ですべての要求定義を実装することができた。
私のような素人では、キャラクターベースの言語では到底不可能な開発スピードはLabVIEWならではである。

一旦、LabVIEWを習得すると様々な機器の制御ができるようになる、というかしてみたくなる。研究室内のあらゆる装置が私のプログラムで動いている。一例を挙げると、
・熱伝導率系(ガードヒータ法)
・磁気浮遊天秤の高圧ポンプと高温サーキュレータの設定値制御
・可視化装置の圧力と制御とビデオ撮影の同期
・誘電率測定装置のネットワークアナライザーの装置制御
・レオメータのアナログデータの取込とデータ解析
・Photo DSCのUVランプとの同期
・real time FT-IRのUVランプとの同期
・一方向温度場可視化装置
などなどである。

NIはLabVIEWという開発環境とデータ取込ボード(DAQ)を同じ会社が販売しているので、両者の親和性が、つなげば動くため大変扱いやすい。MATLABもSIMULINKなどで似たようなことを実現できるが、別途データ取込ボードを用意しなくてはならず、煩雑かなと思う。私にとってのMATLABは、大規模行列の解析ソフトである。MATLABもコード量が少なくて済むので、プログラムが楽だし、適度に早い。

話は飛んでしまうが、LabVIEWとDAQ製品はFPGAや画像解析の機能も充実しているので、今後は、画像解析データをもとにした相分離過程の構造制御のためのプロセス制御をやってみたい。材料プロセスのためのプロセス制御系をLabVIEWなら簡単に構築できるので、化学工学分野でも今後は利用する研究者がもっと増えてくるのではと思っている。

もっとも、私がこれらのソフトを気兼ねなく使用できる理由は、私が所属している京都大学がLabVIEWとMATLABのサイトライセンスを提供しているためである。この環境はとても恵まれていると思う。

2010/12/02

ネイルエキスポ2010

11月28日に東京ビックサイトで開催されたネイルエキスポ2010に行ってきました。
ネイルエキスポ2010は国内外のジェルネイルの会社が一堂に会して、新製品の発表、ネイル技術のコンテスト、格安販売などを行う展示会です。

http://nailevent.jp/nailexpo10/

紫外線硬化樹脂をネイルに使うという技術的な観点から、大きなトレンドとして印象に残った点を挙げます。

  • ジェルネイルの光源は紫外線ランプからUV LEDへ
  • 熱で接着するフィルムタイプのものがお手軽ネイルとして普及
  • 瞬間接着剤のような空気に触れて硬化する紫外線ランプのいらないジェルネイルが出現(2011/2/6に訂正しました)

なかでもUV LEDへの移行は確実なような気がします。ネイルエキスポでは各ブースでネイルを施してくれるのですが、UV LEDを使用しているブースは人気であるにもかかわらず、列がほとんどできていませんでした。UV LEDは紫外線ランプに比べて光強度が強いので、硬化時間が短く、施術時間も短くなるためではないかなと思いました。

ただし、強い光を当てればその分発熱速度は高くなり、温度上昇も激しくなるので、安全性へのケアはこれまで以上に重要になると言えます。

「反応系のレオロジー:電子機器用材料を中心にして 」渡辺先生のご講演

TAインスツルメントの第4回レオロジーセミナーで化学研究所の渡辺先生のご講演を拝聴しました。今回は反応系レオロジー:電子機器用材料を中心としてというお題でのご講演ということで、線形粘弾性からゲル化についてまで2時間にわたり熱心なご講演を拝聴することができました。

ご講演の最後の数枚のスライドで、硬化性樹脂の残留ひずみや応力を解析されている研究者の論文(Nishimura & Nakagawa, Heat Transfer-Asian Research, 31, 194 (2002), 日本機械学会論文集(B編), 66, 2718(2000))を紹介されていました。その際に、しきりにChemEの研究者がそのような仕事をされているということをおっしゃっていました。これはレオロジーの手法以外にも様々な解析手法を組み合わせて結論を導いていくことの大切さを解かれていたのだと思いました。

小生は紫外線硬化樹脂の硬化挙動の評価にレオメータと自作の解析ソフトで挑んでいます。しかし、高速で発熱の顕著な反応の紫外線硬化樹脂ではひずみと応力の関係だけでは解析は難しく、FT-IRやPhoto DSCでの解析も欠かせません。これら結果を結びつけて理解するためには、ChemE的なアプローチが重要であると小生も思っています。

2010/10/07

紫外線硬化樹脂の実時間解析

紫外線硬化樹脂の実時間解析法のうち小生の研究チームが得意としている測定方法についてまとめました。

紫外線硬化樹脂の実時間解析法
測定法 膜厚 温度 測定量 応答性・時間分解
Real time FT-IR 10 um 非等温 C=Cの吸光度 速い 30 ms
Real time FT-NIR 5 mm - 0.1 mm 非等温 C=Cの吸光度 速い 60 ms
Photo DSC 0.1 mm 等温 発熱速度 遅い 0.1 s
Photo rheometer 0.1 mm - 1 mm 非等温 弾性率、粘性率 やや速い


これらの測定方法を駆使して、4つの測定法の結果を再現可能な統合的な反応拡散硬化モデルの構築について研究しています。このようなモデルを作ることで、実際の硬化条件に近いシミュレーションを行うことが可能になります。

特に、以下のことが明らかになれば紫外線硬化樹脂の適用範囲はさらに広がると思います。
  • 硬化メカニズムの解析(収縮、発熱)
  • 材料探索の支援(多成分系での精度よいモデル)
  • 残留モノマーの低減
  • 硬化物の力学物性とネットワーク構造の関係

2010/10/05

ピーク分離プログラム

real time FT-IRで紫外線硬化樹脂の反応速度を解析しています。紫外線硬化樹脂は溶媒を含まないため試料のモル吸光係数が高く、アクリレートのピークがしっかりとベースラインまで分離された状態で測定を開始することは容易ではありません。例えば、下の図のようにアクリレートのC=Cに由来する1630 cm-1のピークは、アミドやカルボニルのC=Oとカップリングしてしまいます。このようなときに、ピーク分離を行うとスペクトルの解析が容易になります。

そこでreal time FT-IRで測定された大量のデータを一括して自動的にピーク分離を行うプログラムを作成しました。このプログラムは、複数のガウス関数でピークやショルダーを表して、Levenberg–Marquardt法で測定されたスペクトル形状にもっとも合うように各ピークのピーク位置、高さ、幅を決めるプログラムです。

図 ピーク分離プログラムで分離されたピークとその重ね合わせによって得られたスペクトル


実行環境はMATLAB7.1でOptimization Toolboxのlsqcurvefitという関数が必要です。また、入力ファイルはBruker Optics VERTEX 70のOPUSが出力したスペクトルのdptフォーマットです。

dptフォーマットは、
波数1 吸光度(時刻0) 吸光度(時刻1)  ....
波数2 吸光度(時刻0) 吸光度(時刻1)  ....
...
です。

2010/09/12

多孔型のフレキシブル低誘電率膜の技術的課題

今回は、小生が研究開発している多孔型のフレキシブル低誘電率膜の技術課題をまとめてみました。ポリイミドなどの絶縁層を多孔化して絶縁層の誘電率を下げて、高周波領域において抵抗損失を低下させるというアイディアは、かなり昔から実現に向けて研究されてきました。しかしながら多孔型のフレキシブル低誘電率膜がなかなか実用化されていない原因は、およそ図に示すような課題があるからです。
低誘電率膜は一般に絶縁層として、二枚の銅箔の間に挟まれて使われます。このため多孔化により、絶縁層の表面に表皮孔ができると高周波領域において表皮効果に伴うインピーダンスの増加が起こり、さらに銅箔との密着性も低下します。
また、表皮孔と内部の孔が連通していると、連通孔と呼ばれる孔ができてしまいます。この孔にエッチングやメッキ処理の際につかわれる水が滞留してしまうと上下の銅箔が短絡してしまうおそれがあります。
この他にも膜厚程度の孔が偶然にも形成されてしまうと、気温の変化や折り曲げにより気泡は膨張と収縮をおこしてしまい銅箔との密着強度の低下や、誘電率のムラを生じてしまいます。
さらにスキン層と呼ばれるような多孔化されていない層が多い場合は、多孔化による低誘電率の低下が効果的に現れません。
多孔化によりこれだけの課題が出るわけですから、なかなか実用化への道は険しく、個々の課題のブレークスルーだけでなくシステム全体の最適化が重要となります。理想的な多孔型のフレキシブル低誘電率膜は、平滑な表皮・孔の微細化(100 nm~)、膜全体に均一な孔層があることといえます。
我々の技術ではこれらの課題を克服すべく新しいアイディアのもと取り組んでいます。

Posted by Picasa
図 多孔型のフレキシブル低誘電率膜の技術課題

2010/08/17

UVジェルネイル

UVジェルネイルというネイルの方法をご存じでしょうか?

紫外線硬化樹脂を爪の上に塗り、硬化させることで、一種のマニキュアのようなオシャレをする方法です。ラメや☆などを爪の上にきれいにのせることができ、透明で硬いトップコートの厚塗りができます。

私はUVジェルネイルをすることはないのですが、卒論の女子学生が「UVジェルネイルって知ってますか?あれってすごくはがしにくいんですよ」と質問されてから、UVジェルネイルについて調べるようになりました。

ネットで検索すると色々とヒットして、どうやら専門のネイルサロンに行かなくても家でUVジェルネイルができるようです。UVジェルネイルの主成分はアクリレート系のモノマーですから、肌への刺激や体への悪影響などが懸念されますが、一般向けとしてロフトなどで売っています。

そこで、誰もが安全に使えて、きれいなネイルができるUVジェルネイルの開発を目指して、UVジェルネイルの反応速度解析や特定の条件で剥がれやすくなるモノマーの探索、安全な硬化条件などを明らかにするための研究をすることになりました。





2010/07/10

フレキシブル低誘電率膜

NEDOの産業技術研究助成事業から補助を受けて研究させていただいている「UV硬化樹脂の光誘起相分離を利用した革新的フレキシブル低誘電率膜成形プロセスの開発」の研究成果を新聞に載せていただきました。

日刊工業新聞の記事

正直申し上げまして、まだまだな研究成果ではあるのですが、ご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。

フレキシブル基板やフレキシブルケーブルの基材の低誘電率化は高周波数化への対応としてこれまでにも多くの研究例があります。特にポリイミドの低誘電率化については、化学構造の改良と多孔化のための研究開発が続けられてきました。多孔化では、材料を軽量化することにより著しい低誘電率化を実現できますが、同時に機械的強度の低下、耐湿性の低下、密着性の低下などが起こります。

また、実際に実装メーカに使っていただこうとしても、実装メーカは分布定数形による電気回路の設計技術で高周波化により発生する様々な問題を解決されているので、様々な物性の低下が起こる材料はなかなか採用してもらえないのが現状のようです。

また、高速・大容量通信のための高周波数化が必要と考えられていますが、光インターコネクト機器内無線技術など銅線でつなぐよりも時として高いスループットが得られる電送技術も開発されています。

こうした中でフレキシブル低誘電率膜に実装された導線で高速・大容量な伝送を行うための材料製造プロセスの開発の意義を考えていかねばなりません。光も無線も結局は電気信号に変換されるので、信号は銅線を通るのだから、低誘電率化は王道であると私のメンターは教えてくれています。銅配線が光や無線に敵うためには、コストと小さな実装空間そして設計の容易さなどがあげられると思われますが、孔を開けたことによるメリットがデメリットを上回るように、デメリットの克服とアプリケーションの創成も必要になってくるものと考えています。

2010/07/07

紫外線硬化樹脂の硬化の様子

紫外線硬化樹脂は、紫外線を照射すると数秒から数分でかたまる樹脂のことです。
この様子をわかりやすく撮影した映像が下の映像です。

開始から8 sくらいまでで、紫外線硬化樹脂がガラス管についても
すぐにたれ落ちてしまう様子を撮影しています。

11 sで真ん中に青い光が現れますが、これが紫外線を含む光です。

18 sからでは、先ほどの紫外線硬化樹脂を光に当てています。

23 sくらいまでで樹脂が硬化して、樹脂が垂れなくなっていることがわかると思います。
この樹脂はその後ガラス管を1回転させても垂れなくなります。

紫外線硬化樹脂の硬化の様子

樹脂成分 ウレタン系ジアクリレート/反応性希釈剤/光開始剤
光源 水銀キセノンランプ 200W

2010/06/28

紫外線硬化樹脂の硬化過程追跡用のPhoto DSC

 
Posted by Picasa

紫外線硬化樹脂の硬化過程追跡用のPhoto rheometer

 
Posted by Picasa

紫外線硬化樹脂の反応過程を追跡可能なreal time FT-IR/NIR


Posted by Picasa図1 real time FT-IR/NIR(実時間フーリエ変換赤外/近赤外分光光時計)

分光器 Bruker Optics VERTEX 70, Rapid Scan option,
仕様 4000 cm-1 ~ 400 cm-1を8 cm-1の間隔で33 msに1回スキャン
干渉系 RockSolid(R)干渉計
検出器 MCT(液体窒素冷却)
赤外光学系 赤外光は試料を透過して減衰
UV照射光学系 水平に置かれた試料に、30°からUV光を照射(室温から100℃まで測定可能)
UV光源 Omnicure S2000

図2 ウレタンジアクリレート/N-ビニルピロリドン/TPO混合系のUV照射前後の吸光度変化

図3 ウレタンジアクリレート/N-ビニルピロリドン/TPO混合系の6000 cm-1付近の吸光度変化