2021/12/30

2021年の振り返り

 2021年の振り返りをひとつ。


今年はA-STEPとCRESTが採択されて、それまでの申請書作成から面接の準備、採択後の研究計画書の作成、研究の開始、物品の発注、スタッフの採用など慌ただしい日々が今の今まで続いてしまった。


自分が書いた論文はひとつも出せず、共同研究者の1報のみというお寒い感じ。年末最後の出勤日にやっと論文まで辿り着いて、アブストを書いたり、引用文献を整理する時間がとれた。学者として充実した時間がやっと取れた感じ。


来年はどうなるかはわからないが、少し忙しさに慣れてきたので、自分の時間が持てそう。少なくも来年は申請書は出さなくて済むだろう。


それにしても私は科研費の基盤Bさえも獲得したことがない。つまり全く大したことのない学者なのだ。そういう学者にCRESTのような多額の学術研究の研究費が付くということは、何か世の中が変わってきたなと感じている。


年末にかけて、元京大総長の山極寿一先生の京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと (朝日新書)という本を読んだ。この記事の写真の「だから....」の件は特に共感を覚えたところ。私は京大には3年生に編入学で入って来たので、教養の講義はあまりきいていないのだけれど、この本を読んで、山極寿一先生のいう京大らしさみたいなことが知らないうちに染み付いていることに驚かされた。


学問とは、教養とは、勉強する理由、学者とは、研究とは、と日々問い続けながら、学生と研究に立ち向かってこれたからだと思う。


この本を読んで、答えが無いかもしれない問題に立ち向かう勇気をいただいた。


ぜひ、日本の学術と教育に興味のある多くの方に本書を読んで頂きたい。山極寿一先生のあとがきより。


みなさん来年も良いお年をお迎えください。瀧


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