2026/09/19

高分解3DX線顕微鏡(μX線CT)を導入しました。

 金沢大学では、Zeiss社製のVersaXRM 615(分解能500 nm)を導入しました。広く一般に開放しております。また、依頼分析にも対応していますので、ぜひ、一度ご連絡ください。

X線顕微鏡のURL https://xrm.w3.kanazawa-u.ac.jp/


Versa 615
画像をクリックすると紹介ページに飛びます。


瀧

2024/04/26

京都大学化学工学教室6講座同窓会

 京都大学化学工学教室6講座同窓会  のご案内

同窓生の皆様


時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

令和6年3月末をもって、大嶋正裕先生が京都大学大学院工学研究科化学工学専攻教授を

ご退官されました。

大嶋先生は現在、京都大学の副学長として引き続きご活躍されておられます。


長年に渡る大嶋正裕先生の研究室でのご指導に感謝し、また、先生の今後のご活躍を祈念いたしまして、研究室の同窓会という形でパーティーを企画いたしました。


同窓生の皆様には、是非ともご参集を賜りたく、謹んでご案内申し上げます。


開催日時:令和6年7月20日(土)16時~19時(受付開始とウェルカムドリンク 16時)

集合時間:16:30(記念撮影を行いますので,この時間までにお集まりください。)

開催場所:琵琶湖ホテル(滋賀県大津市浜町2-40)

     https://www.keihanhotels-resorts.co.jp/biwakohotel/

会  費:15,000円

醵  金  額:一口 5,000円(ご出席の場合、一口目は会費に含まれております)

     醵金は、記念品代等に使用させていただきます。

次  第:

16:00 受付開始とウェルカムドリンク

16:30 写真撮影のために移動

17:00 宴会開始

19:00 解散


ご出欠について、下記Googleフォーム または 下記メールにてお知らせください。


https://forms.gle/5DpWysQtb8te8k3m6


★締め切り:6月14日(金)★

メールアドレス taki.kentaro+6kozamoshikomi@gmail.com (できるだけ本フォームをご利用ください)


なお、ご欠席の方には、記念品代として醵金(5,000円)を申し受けたく存じます。

大嶋正裕先生へのメッセージを添えてお申し込みいただけますと幸いです。

醵金のお申し出をいただいた方には、後日、振込先をご連絡させていただきます。


<お問い合わせ先>

金沢大学理工研究域フロンティア工学系 瀧健太郎 宛て

taki.kentaro-6kozadosokai@gmail.com


以上、よろしくお願いいたします。


令和6年4月26日

京都大学化学工学教室6講座同窓会事務局

世話人 瀧健太郎

2023/04/18

金沢大学バイオマスグリーンイノベーションセンター竣工記念式

本日は金沢大学バイオマスグリーンイノベーションセンターの竣工記念式です。この3年間の努力がやっと結実した思いです。私は諸事情により式典には参加できないのですが、今後の発展を祈念しております。本日はおめでとうございます。瀧








2021/12/30

2021年の振り返り

 2021年の振り返りをひとつ。


今年はA-STEPとCRESTが採択されて、それまでの申請書作成から面接の準備、採択後の研究計画書の作成、研究の開始、物品の発注、スタッフの採用など慌ただしい日々が今の今まで続いてしまった。


自分が書いた論文はひとつも出せず、共同研究者の1報のみというお寒い感じ。年末最後の出勤日にやっと論文まで辿り着いて、アブストを書いたり、引用文献を整理する時間がとれた。学者として充実した時間がやっと取れた感じ。


来年はどうなるかはわからないが、少し忙しさに慣れてきたので、自分の時間が持てそう。少なくも来年は申請書は出さなくて済むだろう。


それにしても私は科研費の基盤Bさえも獲得したことがない。つまり全く大したことのない学者なのだ。そういう学者にCRESTのような多額の学術研究の研究費が付くということは、何か世の中が変わってきたなと感じている。


年末にかけて、元京大総長の山極寿一先生の京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと (朝日新書)という本を読んだ。この記事の写真の「だから....」の件は特に共感を覚えたところ。私は京大には3年生に編入学で入って来たので、教養の講義はあまりきいていないのだけれど、この本を読んで、山極寿一先生のいう京大らしさみたいなことが知らないうちに染み付いていることに驚かされた。


学問とは、教養とは、勉強する理由、学者とは、研究とは、と日々問い続けながら、学生と研究に立ち向かってこれたからだと思う。


この本を読んで、答えが無いかもしれない問題に立ち向かう勇気をいただいた。


ぜひ、日本の学術と教育に興味のある多くの方に本書を読んで頂きたい。山極寿一先生のあとがきより。


みなさん来年も良いお年をお迎えください。瀧


https://amzn.to/32PDe8k

2020/04/29

毎日自宅でお仕事中

皆さん元気にしていますか?
最近、大学にいるより忙しい毎日です。

オンデマンド授業とか、なかなか難易度高いですよね。この2週間で、気がつけば、20個の動画(合計4時間以上)をYouTubeにアップしました。かなり大変でそれ以外のことが、全くできない。動画は編集せずに、一発どりなのだけれど、準備がね。

大学のWebClassは使いにくくて、Google classroomというシステムを使わせてもらっています。これはとてもよくできています。みなさんにおすすめです。

教えている内容の一つは、高分子の物理学なんだけれども、数式ゴリゴリの導出系の科目なので、Apple Pencilで書き込めるiPad Pro 12.9 inchが役に立ちます。Google Jamboadというホワイトボードアプリがシンプルで使いやすい。iPadに貼る保護フイルムは、MS Factoryのが紙みたいで書き心地が良い。

あー、論文書いたり、予算申請したり、家庭菜園したり、色々やることあるのに、先が見えない毎日で、計画を立てて、それを完遂するというのは、なかなかどうしてメンタルいりますな。

zoom会議は、時間取られるし、もうやめたい。リアルの会議より意味ない。

家の中で仕事のオンとオフを切り替えるのは難しい。散歩が良い。

そうそうAdidasのアプリで筋トレ中。痩せるぜ。

2020/04/23

オンデマンド講義に役に立つ機器

Covid-19関連で,大学ではオンライン授業が行われています。金沢大学では,学生への負担軽減とネットワーク負荷の分散のために,オンデマンド講義を原則としています。
・オンライン講義 ある時間に学生がネット上で一堂に会して講義を受ける。
・オンデマンド講義 学生は自分の都合の良い時間にネット上にアップされた資料を見に行き学習する。

私もオンデマンド講義を行うために,在宅勤務先(自宅)で環境を構築しました。

iPad Pro 12.9 inch

iPad Pro 12.9のUSB C--> USB C to HDMI Adapter (ANKER)

HDMI端子をビデオミキサー(Roland V-02HD)の)INPUT 1につなぎます。

ビデオミキサーのProgram 端子--> HDMIキャプチャ(AVerMedia GC553)

HDMIキャプチャのUSB-->PC パソコン デスクトップPC(マウスコンピュータ,DAIV)です。

自分の顔などをPinP(ピクチャーインピクチャー)で入れたかったので,
デジカメ(Sony DSC-RX100)をmicro HDMIケーブルでビデオミキサーのHDMI INPUT 2につないでいます。

このカメラには,三脚用のねじ穴がついているのですが,本体からHDMI microで出力しようとすると,micro HDMIと三脚の穴が干渉します。

そのため,スマホ用のアームと三脚が必要です。

HDMIキャプチャで取り込むと,Webカメラのように画像がPCに認識されますので,それをOBS(Open Broadcaster Software)に「映像キャプチャデバイス(Live Gamer Ultra-Video)」として取り込んで,録画していきます。OBSには,Webらからも画像の取り込みができるので,USBのWebカメラも併用しています。

OBSを使うときは,モニタは二つあると便利です。

ちなみにビデオミキサーを介さずにHDMIキャプチャにつないでも表示できませんでした。


オーディオは,据え置き型のコンデンサマイクをYAMAHAのミキサー(AG 03)につないでいます。ミキサーにつなぐことで,モニターのヘッドホンに出力できるので,音を確認したり,エフェクトを入れて声を聴きやすくできます。PCにはUSBでつないで,OBS上では,ライン入力(4-AG06/AG03)として認識されて表示されます。




2019/05/12

電話

う~ん。今日は久しぶりの友人から電話があり,米沢のことを思い出したりした。米沢のいいところは横のつながりが楽しいこと。

また,今日はTTの調書の修正要請があり,細かな作業が続いていた。外部審査委員の先生をどうするか,これってもっとよく考えなければいけないことのような気がするが,フィーリングでお願いしてしまった。大丈夫だろうか。

今週土曜日からアメリカなのだけど,出発直前になって,旅費に関して,大きな修正が入って,困ったなと,どうしようかと,考えている。

それに加えて,明日までに10,000字の原稿を仕上げなくてはならない。いま,317字なので,進捗率は,3%だ。わるくない。

化学工学会の口頭発表件数がすごく少ないように感じた。あと,スライドは英語という決まりらしい。化学工学会,大丈夫かなあ。求心力が落ちている気が。

なんというか,最近思うのは,日々の積み重ねがとても大事ということ。一足飛びにはなかなかできないし,運よくできたとしても,飛び越した分は,いつかやらないといけない。

大きな研究費で設備を買いたければ,皆を納得させるだけのデータをどうにかして,取らなくてはいけない。

このように,文章の末尾が,「い」で終わる分を書いているときは,いまひとつ頭が回っていない時だな。

3月は別れの季節。静まり返った研究室を見ていると,しばしの安らぎを感じる。

さて,書くか。

引用回数と政策

中国のシンポジウムに行くと,国からお金が出ているなぁと感じる半面,そういう恩恵にあずかれるのは,ごくわずかの研究者というのも事実で,日本ほどにすそ野が広いわけではないのでは?とも思う。

韓国の研究者と話した時は,企業に大学の規則的な現象解明の研究が企業が抱える問題の解決に役立つということをいかにconvinceするか,マネージャーの意識を10年単位で変えていかねばならないと言っていた。

論文引用数は,コミュニティを作って,そこで,相互引用すれば,簡単に上げられるのではないか。荒っぽく計算すれば,10グループで各グループ年間10報で1報につき100回の引用が稼げる。

1グループに年間1億円投下して,PD5人雇って,年間各人2報書かせればいい。10億のPJを100個やれば,引用回数なんて,上げられるはず。実際,中央集権的な中国はそういうことをやっているでしょうに。日本みたいに実用化,社会実装など言わずに,ひたすら論文を書かせればいい。

問題は,長期間にわたり,学者の論文という成果物にファンディング側(政府など)が我慢して意味を見出せるかでしょうけれど。政策目標自体が,引用回数の向上であればわかりやすい。

研究の内容がよくわからない予算付けする人が,客観的に論文という成果物の価値を測れる指標が引用数であり,これを増やすには,上記のような政策で大体行けるだろう。

日本じゃ無理だけどね。そんな金はない。が,いずれ中国も金はなくなる。論文書かせても金にはならんわけで。論文を金にするのは,また,違う才能の人が必要だし。

2019/03/06

Python pip

Windows 10でpythonでパッケージを追加する際に、pipを使うことになる場合がある。
こんなときは,windows powershellを管理者モードで立ち上げないと,pipなどをインストールできない場合がある。そりゃ,管理者権限いるわな。

二つの軸とトーラス構造から自身の研究テーマを考える

 さて,研究総覧の巻頭言ということで,少し抽象的に研究テーマについて考えてみたいと思います。まずは,私が学生だった頃に,研究室のガイダンスで大嶋正裕先生(現京都大学工学部長)の恩師が高松武一郎先生(京都大学名誉教授)に教えていただいた研究における二つの軸について紹介します。
 研究における二つの軸とは,図1に示される基礎研究軸と応用研究軸の二つです。
 基礎研究を横軸に取ると,右に進むほど基礎研究を深める研究になり,左に行くほど非基礎研究を深めることになります。縦軸の応用研究でも同様に,上に伸びるほど応用研究を深める方向に行き,下に行くほど非応用研究を深めることになります。
中学校の数学で勉強したグラフの象限という言葉を使うと,第1象限は,基礎かつ応用研究のテーマです。このようなテーマを設定できた研究者は多くの研究費を獲得して画期的な成果を学術的にも産業的にも出していくことが期待されています。第2象限は,非基礎かつ応用研究のテーマです。基礎的な研究基盤を踏まえて,あるいは応用が急がれるテーマであり,中身はよくわからないが,ビジネスチャンスを逃すまいと研究を加速させているはずです。第3象限は,非基礎かつ非応用のテーマです。このテーマは「将来何に役立つかわからないが,研究者の興味のままに行う。」という萌芽的な側面と,研究テーマとしてはピークアウトしていて,過去の惰性で研究が進んでいるテーマの二つの場合が多いです。国プロなどの大きな予算がつぎ込まれているテーマは,多くの人々のコンセンサスを得るために後者の傾向がどうしても強くなります。第4象限は,基礎かつ非応用のテーマです。宇宙のしくみや深海の謎を探ることや純粋数学や理論物理学のテーマが多いはずです。
 基礎か非基礎かあるいは応用か非応用かは研究者によってそれぞれの尺度が違います。基礎研究⇔応用研究という単純な一つの軸で物事を捉えるのではなく,基礎-非基礎と応用―非応用の二つの軸で二次元的にテーマを捉えることで自分の立ち位置がより明確になるはずです。
 また,工学分野の研究者が第1象限のテーマを設定し,左回りに経産省寄りの応用研究を展開していくか,右回りに文科省寄りの基礎研究を展開していくか,あるいは,テーマの有効性が急激にシュリンクしてしまい原点を通って第4象限に陥ってしまうか,は研究者の手腕にかかっています。一流の研究者は複数のテーマでバランス良くそれぞれの象限のテーマを設定しポートフォリオを形成しリスクヘッジしています。
 さて,次はトーラス構造について触れましょう。トーラス構造とは,図2に示す通り浮き輪 のような構造をしており,トーラス上のある点からいかなる点を歩いても出発点に戻ることができます。しかし,トーラスの中心Oにはたどり着くことができません。
今,トーラス上の点PからAについて研究を開始していきます。トーラスの中心Oに向かって進むほど真理にたどり着けると考えます。Aについて研究を進めると,だんだん真理に近づいていきますが,研究費や人員など様々な制約でOにはたどり着くことができず,一回りして,次にBについて新たにテーマを立てます。しばらくすると,また,研究は行き詰まり,トーラス上のループをたどり元に戻ることになります。A, B, C …とテーマを積み重ねれば,Oにたどり着けるというものではなく,このような研究をしていても本質的なことは何一つできず,ただ時間とお金を浪費するだけの研究者や研究グループになりかねません。
 自分が立てた仮説に基づく研究テーマが存在するフィールドがトーラス構造なのかどうかは,研究を始めてみなければわからないでしょう。しばらく研究を続けてみて,過去のデータを整理する中で,自分のいるフィールドがトーラス構造なのであれば,真理に近づくために研究のやり方を変える必要があるでしょう。真理に近づくことが研究の目的であれば,の話ですが。
 最後に,二つの軸とトーラス構造の話をまとめてみたいと思います。二つの軸では,基礎研究と応用研究の対義語として非基礎研究と非応用研究があることを紹介し,研究テーマの位置づけを考える必要があると説明しました。二つ目のトーラス構造では,自分のいるフィールドがトーラス構造であれば,真理にたどり着くことができないことを説明しました。
実は,トーラス構造は位相幾何学的には(コンパクト)二次元多様体と呼ばれており,トーラス上には2次元平面しか存在しません。すなわち,図2の点P上に研究の二つの軸を貼り付けることが可能です。すると,興味深いことに,基礎研究の軸も応用研究の軸もトーラス上を1周して元の点に戻ってくることができます。つまりは,基礎研究と非基礎研究あるいは応用研究と非応用研究のどちらも研究のサイクルの中では相対的なものでしかないのです。研究者自身がいま研究はどういう状況(基礎か,非基礎か,応用か,非応用か)にありどこに(基礎か,非基礎か,応用か,非応用か)向かっているかをはっきりと認識しておかないと,トーラス上で道に迷うことになりかねません。何が基礎で何が応用か,何が真理であるかを示すことが研究者の仕事であり,人間にしかできないことです。
 巻頭言としてはやや哲学的なテーマを取り上げてしまいました。混とんとする世界情勢と競争が激化する研究環境において,戦略的に研究を考えるためには現状認識が最も大切ですので,その一助となりましたら幸いです。

2018/08/29

新井紀子著「AI vs 教科書が読めない子供たち」


読解力

最近は,メールやらSNSばかり読んでいるので,書く力や読む力が衰えているなと,感じていて,以前よりも読書をしようと心がけています。

Amazon Kindleを使って電子書籍になったものを新幹線での移動中や就寝前に読んでいます。Kindleの良いところは何冊もの本を論文とともに持ち歩けるところだけれど,「この本面白いから読んでみな。」と人にあげることができないので,半径3m以内で,感動を共有しにくい,かなと思っています。

私は読む速度が遅いので,読書はかなり苦痛なのだけれど,久しぶりに夢中になって読んで,昨日読み終えた本が,新井紀子著「AI vs 教科書が読めない子供たち」でした。内容は,Amazonのレビューとかを参考にしてもらえれば,良いと思います。昔から読書感想文は苦手で,ようやくや内容説明をするほどの能力はありません。

この本はなにが面白いって,学者が自分に向けた本質的な疑問に真正面から向き合い,周りを巻き込み,研究PJを推進し,ついには社会に役に立つ研究にたどり着いているというところです。

法学部出身で,海外の大学院で数学の学位を取られたという文理融合の経歴を持たれている著者ならではの,文章を読んで,意味が分かる,意味を伝える,ということの本質と,日本人の読解力の現状とAI技術の台頭による雇用や社会不安への見通しなど,世の中の役に立つ研究を一から立ち上げるということはどういうことなのかを考えさせられる本でした。

作中で著者にはお子さんがいらっしゃるということで,母親としての母性を感じられるところも随所にあり,不肖(と称されていましたが)東ロボ君の開発と子育てがリンクしていました。AIは数学なのだから,数学で表現できない人間の活動はAIに代替されない。シンギュラリティ―は来ない。しかし,当の人間の能力がAI並みに落ちているという指摘はとてもインパクトがありました。うすうすわかっていたけれど,データで示されて納得してしまいました。

私は,大学の要請で,移動現象論基礎や流体力学などの講義科目で,数式を使って自然現象を理解させる講義を100%英語でしています。100%英語とは,板書,口頭での説明,教科書,テストの問題文などがすべて英語です。最近は,専門用語の日英対訳や講義時間の10分程度は日本語で復習しますが,講義全体を通じてほぼ英語です。大学の方針で,講義科目の50%は英語化しなくてはならず,みなさん努力されています。講義室に居る数人の留学生は理解しやすいようですが,他の学生は,学習があまり進まないようです。

大学生にとって,英語は大学入試の受験科目であり,英語ができること≒英語のテストの成績が良い,ということだと思います。しかし私の講義のように英語をツールとして,専門知識を学習する講義では,英語+専門書を読みこなす高度な読解力が求められます。教科書を読んで理解することを英語でやらないと,単位が取れません。専門科目ですので,日本語の読解力が低ければ,英語の平易な構文で書かれた内容も理解は難しいです。そこで,テスト前にテスト対策の特別講義を日本語でやることで,テストに解答できるようになり,2/3くらいの学生に単位を授与できるというわけです。では,それまでの講義は何だったんだ,とはなりません。上位10%くらいの学生は英語での講義をおおよそ理解しているようです。


2016/12/22

LEGO MINDSTORM EV3を研究室に導入

瀧研究室では,学生にプログラミングをスキルとして身に着けてもらうために,レゴのMINDSTORM EV3というロボットを購入しました。5台で20万円。もっと安いRaspiとかAruduinoも考えたけれど,完成度が高いのがレゴでした。







ロボットのプログラミングで学んでもらいたいのは,細かなテクニックではなくて,ゴールにたどり着くのにたくさんの方法が考えられるような問題で,アイディアをたくさんだして,試行錯誤して,ゴールに早くたどり着く力を養ってもらいたいからです。

研究の世界では,アイディアを試したいけど,リソースやお金,時間の制約がたくさんあるのが,現実です。限られた時間で,できることは常に限られています。そのような環境下で,最適な選択ができた人たちが,大きな成果を得られるのが研究の厳しさであり,面白さでもあります。

レゴは,その制約がほとんどない。いわばハイテクの砂場です。自分が思いついたアイディアを,ブロックで組み立てたり,すぐにプログラムしたりして,ロボットを動かせば,試したアイディアがよかったのか悪かったのか,すぐわかる。よかったらさらによくするにはどうすればいいか,考えればいいし。悪かったら原因を追究するために,また,新しいアイディアを考えればいい。

こういう経験を通じて,自分でアイディアを考えて,挑戦するマインドを自分の中に構築してもらいたい。少ない試行回数で,無数の選択肢から,一番良さそうなものを選び取っていき,ゴールに早くかつ正確にたどり着くスキルを養ってほしい。

これからは,AIに使われるか,AIを作るかで,年収が10以上違う時代になるはずだから,AIにできないことを人間は伸ばしていかなくては。

がんばれ,瀧研の学生たちよ!


2016/06/26

Carbon 3D CLIP

先日のフォトポリマーコンファレンスでCarbon 3Dの招待講演がありましたが,久々にその会社のホームページを見てみると,技術の進歩に驚くばかりです。

これまで,3Dプリンターといえば,造形速度が遅い,光沢面がでない,強度が低い,などおよそホビーの域を出ないものでしたが,Carbon 3D社のCLIPという3Dプリンターはこれらの問題点を克服しています。

とくに材料面でのヴァリエーションが増えており,近いうちに複合材料などへの展開も完了するのでしょう。

射出成形に取って代わる3Dプリンターが現れたと言ってもよいと思います。たしかに,ピースあたりの成形時間は,射出成形が速いですが,Carbon 3D社のCLIPは型締め圧が要らないのでフットプリントが小さく,狭い面積にたくさんの装置を置けます。それも安く。

工場の生産個数 = 成形時間 × 装置数
射出成形機     短い   × 少ない
Carbon 3D     CLIP 遅い × 多い 
がスケーラブルになっています。

日本の射出機メーカーや材料メーカーは,
この技術について,真剣に取り組むべきだと思います。

2016/02/24

鉛筆硬度

筆記具は,パソコン,ポメラ,ペン,万年筆,ボールペン,シャーペン,クレヨン,蛍光ペン,パステルなどいろいろあるけれど,書くということを突き詰めていくと,結局鉛筆に行きつくことがわかった。

自分に合った硬度で,さらっと紙の上にアイディアを書いていくことは,私には,他の筆記具では思うようにはいかない。

鉛筆の先が丸くなると,小さな鉛筆削りで,少しとがらせて,また,書き始める。この間とシャリシャリというととが,物を考えるのにちょうどいい。
図や数式には鉛筆があっているな。

人それぞれ好き好きですが,自分に合った硬度を探してみるのも楽しいものですよ。


2015/11/28

Amazon Kindle Voyage

Amazon Kindle Voyage (広告なし)を買ってしまった.

性能は文句なしで,ほんとに紙のように文字が読めて,目が疲れない.

しかし,開封してみると,アクリレートのにおいがプンプンする.

Kindleの製造にUV硬化技術をたくさん使っているでしょう=.

未硬化のモノマーのにおいがするから,バレバレだよ~(隠していないか).

iPhoneもたくさん使われているはずですが,におい取りのためにエージングしているのか,はたまた,未知のUV硬化技術があるのか....

2015/08/02

ギャップイヤー制度

ギャップイヤー制度というものが始まるそうです.

大学入学前に,ボランティアや海外留学をすることを奨励するようです.キャリア形成の多様化という趣旨.

学生に学びたいように学ばせる,学生のキャリア形成は自分で責任を持つ.

という立場と,

大学は学生のキャリア形成のほぼ全責任を負う.大学を卒業するということは,卒業に足る能力を身に着けた人材であることを証明するものである.

この二つの考えが対峙しているような気がします.

大学が学生のキャリア形成にどれだけ関わるか.学生はどれくらい大学に依存していればいいのか.

東大(画一的)―京大(放任主義)論争のような.

ギャップイヤー制度は,文系的なモラトリアム機関が増えて,就職難民が増える方向に行かなければ,ひとまず成功でしょう.

日本のジョブハンティングマーケットでも新卒即戦力人材+グローバル人材が年々採用枠が増えていくはずです.そういう人材が日本の海外法人でどんどん採用が増えています.

日本における新卒一括採用制度がそろそろ衰退し,学生は卒業するのに忙しくて,在学中(特にB4とM2)中に就職活動なんてしている暇はない,みたいな学生生活になり,卒業後にジョブハンティングに敗れた人々は,ギャップイヤーを自動的に経験するなんてのも一般化するような気もします.それはギャップイヤーではないか.

競争力のある人材を育てていきたい,と移動現象基礎の採点をしながら思いました.



2015/03/28

東大合格者7割、入学辞退 日本最難関「滑り止め」に

「東大合格者7割、入学辞退 日本最難関「滑り止め」に」

あ=,これおもろい.

なんで今までこうなっていなかったのか不思議だったくらいだ.

東大に入れるくらいだったら,SATとかTOEFLとかちょっと勉強したら
余裕でしょうに.東大希望の半分くらいは辞退して,いったらいいんとちゃう.
半年だけ入学して,9月から米国とか.もっと行ってほしい.

日本の大学がダイバシティー増加かランキングを上げたいためなのか,
グローバル化ということで,奨学金を出して,海外の留学生を受け入れて,
授業は英語でと,大学の開国ですなとはしゃいでいるが.世界はもっと先を行っているのでは?

英語で講義をすれば,日本語よりも理解力は下がるし,
大学のレベルはこれまでよりも低下するのは明らかだと思う.
学生の理解度が下がるので,進捗も内容も下がる.
日本に来るくらいだから,一部の日本文化好き以外は,レベルが低い.

そうやって,みんなで寄ってたかって大学のレベルを下げてどうするんだ!

一旦落ちたレベルを再び引き上げるのは容易ではない.

研究のレベルの前に講義のレベルを上げなくては.
そのためには優秀な,難しい内容の講義も理解できる学生が渇望される.
そういう学生を連れてこなくては大学は生き残れないでしょう.

http://news.livedoor.com/article/detail/9941705/

2015/02/25

4/23にパシフィコ横浜で講演します。

講演題目
UV硬化樹脂の硬化過程の解析と応用(ナノインプリント、3Dプリンター、多孔化)
講演概要
□日 時 : 2015 年4 月23 日(木) 15:10-16:05 (50 分間+質問5 分間)
□場 所 : パシフィコ横浜 アネックスホール
□コース名 : UI-4 紫外線技術の応用(1)プロセス応用
展示会URL
講演内容
紫外線の照射によりわずか1秒程度で光沢のある固い樹脂膜を形成することができるUV硬化樹脂は、エレクトロニクス、自動車、建材などさまざまな産業に使われている。一方でUV硬化樹脂の硬化過程ではモノマー同士が複雑に組み合わされた三次元網目構造を形成しているため解析が難しく、これまで本格的な研究はなされてこなかった。UV硬化樹脂の応用範囲が今後より高度化していく中で、硬化物や硬化過程の解析の重要性は今後益々増加していくと考えられている。
本講演ではUV硬化樹脂の硬化過程の解析と応用について最新の研究事例を紹介する。

(1)硬化過程の解析と硬化シミュレーション
ラジカル系UV硬化樹脂では空気中の酸素による重合阻害反応が起こり、重合ムラやタックの原因になる。ここではreal time FT-IRを使用した硬化過程のモニタリングと測定結果の解析法、硬化シミュレーションについて説明する。

(2)ナノインプリント樹脂の表面硬度と紫外線の光学系
紫外線の照射方法(具体的には照度分布)により樹脂の表面硬化度が変化することをロールツーロールナノインプリントプロセスでの具体例を紹介する。

(3)モデル3Dプリンターによって造形された樹脂の硬化ムラ
UV硬化樹脂の3Dプリンターを模した系において、酸素阻害反応が硬化物の重合ムラに及ぼす影響を実験とシミュレーションにより解説する。

(4)紫外線硬化樹脂を使用した新しい多孔化の方法
UV硬化樹脂を使用した独自の多孔フィルムの作成プロセスについて、トピックスを紹介する。

2015/02/15

高分子の構造と物性

高分子の物性と構造という本が、講談社から出ています。
松下先生、佐藤先生、金谷先生、伊藤耕三先生、渡辺先生、田中先生、下村先生、井上先生という日本の宝のような人たちが溶液論から固体物性まで熱く語っています。教科書から熱さがこみあげてくる本てなかなか出会えないものですよね。
緩和時間が長いというのは、じっくりやる日本人の気質には合っていますね。
本文の内容については、また、後日感想を述べていければと思いますが、 「おわりに」に面白いエピソードがありましたので紹介します。 当初松下先生に遠藤先生から執筆の依頼があった時に、「式を使うな」という要求があったそうです。いかにも、化け屋らしいです。しかし、幾多の葛藤の末に、執筆者たちは、「この分野の学術を真に記述するためには、基本的な式は避けられない」というみごとな、それもごく当然な結論に至り、開き直り、この大作が出来上がったそうです。構造物性屋の心意気を感じます。構造物性こそが高分子の本流です。
話のレベルが下がるのですが、 学生への研究室紹介というのがあり、 ふと研究ってなんだろうと少し考えました。 以下の図のように、掘り下げる研究と広く浅く(水平展開)する研究があって、 研究室の中で両方行えるといいだろうなと、改めて思ったわけです。 ポイントは、その割合ですね。どうしても水平展開がやりやすいのですが、 深く掘り下げないと、研究領域は広がりませんね。
research

2015/01/16

科研費取れないとクビというテニュアトラック教員の現実

科研費取れないとクビというテニュアトラック教員の現実

あんまり暗い話ではないんですよ。

各大学は科研費を申請させることに躍起になっています。
正確なソースは知らないのですが、

科研費を申請した教員の数÷科研費を申請する資格のある教員の数≦1

が文部科学省からくる運営交付金に掛けられて交付されるからです。
つまり、科研費ださんと、運営交付金減らすぞーという、ことですね。

さらに○○大学では、テニュアトラック予算というお金がついているのだから、任期中に科研費が取れないと、あんたらクビよ~という、労働基準法すれすれなことが密室で放言されています。これもしかたないか。

科研費って、はずれた時はあ~やっぱだめだったか、とだいたいわかるのですが、当たった時に、何でこれが当たって、前のがだめだったのかがわからんのですね。

それで、若手Bなら採択率50%、基盤Bなら25%なので、何回か出しているとあたるという持ち回りのような予算のような気もしていて、いやでも、みんなまじめに審査しているはずだし。ともんもんとした気持ちになります。

科研費が当たるということは、自分が申請した分野なり学会なりに認められたという気持ちになり、とてもうれしいのです。

しかし研究室の予算計画として、当たるかわからん科研費を考慮して予算計画を立てるよりも、企業との共同研究をやっていたほうが、財務的には安定する。企業受けのいい研究をしていればの話だけれど。

最初は企業の共同研究などでほそぼそとやっていても、だんだん成果が出てきて、分野として学会に認められてくるとうれしいものです。

科研費なんぞにとらわれず、新たしい研究分野を確立するということに、今、テニュアトラック助教やっている人には専念してほしいです。それが10年後に必ず身を助けてくれます。