2010/10/07

ご聴講のお礼

本日、関西TLOの技術交流クラブにて講演させていただきました。

講演タイトル Over 1 Gbps時代の多孔型低誘電率膜の開発
講演内容 
携帯電話やテレビなどは今後もますます高性能化が進むと考えられ、短時間に多くの情報を処理したり表示したりできるようになる。携帯電話やテレビの中では、高性能化に伴い器内に流れる信号のビットレートが増加する。このビットレートの増加を陰で支えている材料が、エレクトロニクス用低誘電率材料である。本公演では、次世代の低誘電率材料として注目されている多孔型フレキシブル低誘電材料について、最新のプロセスとその用途展開について説明する。

多くの方々にご参集いただきまして誠にありがとうございました。今後とも研究を続けて参りますので、どうぞよろしくお願いします。

紫外線硬化樹脂の実時間解析

紫外線硬化樹脂の実時間解析法のうち小生の研究チームが得意としている測定方法についてまとめました。

紫外線硬化樹脂の実時間解析法
測定法 膜厚 温度 測定量 応答性・時間分解
Real time FT-IR 10 um 非等温 C=Cの吸光度 速い 30 ms
Real time FT-NIR 5 mm - 0.1 mm 非等温 C=Cの吸光度 速い 60 ms
Photo DSC 0.1 mm 等温 発熱速度 遅い 0.1 s
Photo rheometer 0.1 mm - 1 mm 非等温 弾性率、粘性率 やや速い


これらの測定方法を駆使して、4つの測定法の結果を再現可能な統合的な反応拡散硬化モデルの構築について研究しています。このようなモデルを作ることで、実際の硬化条件に近いシミュレーションを行うことが可能になります。

特に、以下のことが明らかになれば紫外線硬化樹脂の適用範囲はさらに広がると思います。
  • 硬化メカニズムの解析(収縮、発熱)
  • 材料探索の支援(多成分系での精度よいモデル)
  • 残留モノマーの低減
  • 硬化物の力学物性とネットワーク構造の関係

2010/10/05

ピーク分離プログラム

real time FT-IRで紫外線硬化樹脂の反応速度を解析しています。紫外線硬化樹脂は溶媒を含まないため試料のモル吸光係数が高く、アクリレートのピークがしっかりとベースラインまで分離された状態で測定を開始することは容易ではありません。例えば、下の図のようにアクリレートのC=Cに由来する1630 cm-1のピークは、アミドやカルボニルのC=Oとカップリングしてしまいます。このようなときに、ピーク分離を行うとスペクトルの解析が容易になります。

そこでreal time FT-IRで測定された大量のデータを一括して自動的にピーク分離を行うプログラムを作成しました。このプログラムは、複数のガウス関数でピークやショルダーを表して、Levenberg–Marquardt法で測定されたスペクトル形状にもっとも合うように各ピークのピーク位置、高さ、幅を決めるプログラムです。

図 ピーク分離プログラムで分離されたピークとその重ね合わせによって得られたスペクトル


実行環境はMATLAB7.1でOptimization Toolboxのlsqcurvefitという関数が必要です。また、入力ファイルはBruker Optics VERTEX 70のOPUSが出力したスペクトルのdptフォーマットです。

dptフォーマットは、
波数1 吸光度(時刻0) 吸光度(時刻1)  ....
波数2 吸光度(時刻0) 吸光度(時刻1)  ....
...
です。

2010/09/12

多孔型のフレキシブル低誘電率膜の技術的課題

今回は、小生が研究開発している多孔型のフレキシブル低誘電率膜の技術課題をまとめてみました。ポリイミドなどの絶縁層を多孔化して絶縁層の誘電率を下げて、高周波領域において抵抗損失を低下させるというアイディアは、かなり昔から実現に向けて研究されてきました。しかしながら多孔型のフレキシブル低誘電率膜がなかなか実用化されていない原因は、およそ図に示すような課題があるからです。
低誘電率膜は一般に絶縁層として、二枚の銅箔の間に挟まれて使われます。このため多孔化により、絶縁層の表面に表皮孔ができると高周波領域において表皮効果に伴うインピーダンスの増加が起こり、さらに銅箔との密着性も低下します。
また、表皮孔と内部の孔が連通していると、連通孔と呼ばれる孔ができてしまいます。この孔にエッチングやメッキ処理の際につかわれる水が滞留してしまうと上下の銅箔が短絡してしまうおそれがあります。
この他にも膜厚程度の孔が偶然にも形成されてしまうと、気温の変化や折り曲げにより気泡は膨張と収縮をおこしてしまい銅箔との密着強度の低下や、誘電率のムラを生じてしまいます。
さらにスキン層と呼ばれるような多孔化されていない層が多い場合は、多孔化による低誘電率の低下が効果的に現れません。
多孔化によりこれだけの課題が出るわけですから、なかなか実用化への道は険しく、個々の課題のブレークスルーだけでなくシステム全体の最適化が重要となります。理想的な多孔型のフレキシブル低誘電率膜は、平滑な表皮・孔の微細化(100 nm~)、膜全体に均一な孔層があることといえます。
我々の技術ではこれらの課題を克服すべく新しいアイディアのもと取り組んでいます。

Posted by Picasa
図 多孔型のフレキシブル低誘電率膜の技術課題

2010/08/21

CTC講演会

本日(2010/8/21)はCTCで講演して参りました。

CTCとはCore to Coreプログラムの略で、JSPSの先進粒子ハンドリング科学というプログラムで、日本人とアメリカや、オーストラリア、欧州の若手研究者と共同研究などが身のある交流をするものです。詳しくは、こちらをご覧ください。

講演はすべて英語で、質疑応答も英語なので、久しぶりに舌べらが疲れました。

再生研の藤田さんのご講演では、ナノ・マイクロサイズの凹凸への細胞の接着性についてや、ナノファイバーの上の細胞の運動について共焦点レーザ顕微鏡とTEMを駆使した大変興味深い研究発表をしていただきました。

""Freezing" Transient Structures of Phase Separation in Polymer Solutions"
Dr. Kentaro Taki, Kyoto University, Japan

"Analysis of Cell Responses to Fine-Structured Materials"
Dr. Satoshi Fujita, Kyoto University, Japan

"Aggregates of Colloids: Coupling Structural and Mechanical Properties"
Dr. Günter Auernhammer, Max-Planck Institute for Polymer Research, Germany

2010/08/17

UVジェルネイル

UVジェルネイルというネイルの方法をご存じでしょうか?

紫外線硬化樹脂を爪の上に塗り、硬化させることで、一種のマニキュアのようなオシャレをする方法です。ラメや☆などを爪の上にきれいにのせることができ、透明で硬いトップコートの厚塗りができます。

私はUVジェルネイルをすることはないのですが、卒論の女子学生が「UVジェルネイルって知ってますか?あれってすごくはがしにくいんですよ」と質問されてから、UVジェルネイルについて調べるようになりました。

ネットで検索すると色々とヒットして、どうやら専門のネイルサロンに行かなくても家でUVジェルネイルができるようです。UVジェルネイルの主成分はアクリレート系のモノマーですから、肌への刺激や体への悪影響などが懸念されますが、一般向けとしてロフトなどで売っています。

そこで、誰もが安全に使えて、きれいなネイルができるUVジェルネイルの開発を目指して、UVジェルネイルの反応速度解析や特定の条件で剥がれやすくなるモノマーの探索、安全な硬化条件などを明らかにするための研究をすることになりました。





2010/08/08

夏期休暇

2010/08/06-07に和歌山県の白浜に夏期休暇で出かけてきました。

京都の桂川駅からローカル線で新大阪まで行き、白浜までは特急くろしおで移動しました。白浜駅に12:00について、そこからバスで白良浜まで行き、いきなり海水浴をしました。
1歳の娘にとって初めての海水浴です。喜んでもらえると思ったのですが、結果はぎゃんなきでした。海に入ったとたんに、わんわん泣いてしまいました。下の写真は、すこし笑顔な貴重なショットです。

送信者 20100724-20100807