今年も化学工場で爆発事故が起き多くの方がお亡くなりになられました。
心よりご冥福をお祈りします。
最近は、報道されているだけでも年数回、国内の化学工場で爆発による死傷事故が起きています。
化学工学のエンジニアの責任の重さを感じ、その教育に関わってきた身として心を痛めております。
私が元居た職場は、化学工場の設計・運転・保守の基礎となる化学工学を教える世界的に見てもトップクラスの大学でした。私は企業での現場経験がないままに教職に就いたため、化学工学の単位操作や反応工学、制御理論など未来のエンジニアになる学生を前に、実体験に基づかない教科書的なことを教えていたように思います。学生は企業に入り、経験を積んで優秀なエンジニアに育っていくわけですが、その初めの教育が、大学の専門教育であります。
大げさに考え過ぎだといわれるかもしれませんが、自分が教えていること教えたことが、将来の学生の命に係わることなのだという気概を持って、自分は教育という仕事に取り組んでいただろうか。化学工学のプラント設計・運転・保守の部分は、研究者も少なくナノでもないため華やかでもありません。しかし、人の命に係わる学問であることを忘れてはいけないと思います。
瀧健太郎