2011/09/06

「エレクトロニクスにおける超先端材料とプロセス」シンポジウムに参加


化学工学会エレクトロニクス部会が主催した
 「エレクトロニクスにおける超先端材料とプロセス」
日時:平成 23 年 9 月 5 日(月) 12:30-18:00
場所:京都大学 桂キャンパス
というシンポジウムに参加してきました。

簡単に感想を述べます。

先端材料・技術革新による成長戦略      大林元太郎(東レ)
東レでエレクトニク関連の製品を長年手がけてこられた方のご講演でした。いかにして技術の芽を育てて、製品に繋いでいくかをポジ型ポリイミドを例に教えてくださいました。素材に強い日本というパンチの効いた講演でした。

 メタマテリアル                田中拓男(理化学研究所)
化学屋の私にはやや難しかったのですが、メタマテリアルが共鳴を利用して、比誘電率や非透磁率を変化させることができ、自然界にない物性を持つ材料をミクロな周期構造から作り出すことができるということを教えてもらいました。

 非線形効果による新規メモリー    平尾一之(京都大学)
フェムト秒レーザーでガラスの内部を変化させて色々な材料を作り出せることを教えてもらいました。従来は一点一点描画しなくてはならなかったフェムト秒レーザーでの加工は、今では液晶を使った多点同時描画が可能となり、加工時間がとても短くなり応用範囲が広がっているようです。

 カーボンナノチューブ応用に向けた成長技術および実装・放熱応用         岩井大介(富士通)
カーボンナノチューブを回路基板の導線として使用する方法を紹介してくださいました。様々な技術的課題を克服しながら、一歩一歩実用化に向けて研究を続けていらっしゃる様子が感じられました。技術とアプリケーションがマッチするまで辛抱強く開発を続けることができれば死の谷を越えられるのかなと思いました。

 熱電素子最前線               山本  淳(産業総合研究所)
熱から電気を取り出せる熱電材料について、材料とプロセスについて解説していただきました。いくらいい材料ができても、実装でコストがかかりすぎると普及しないのだなと感じました。材料開発のブレークスルーと非常に高温での実装技術という難しい課題が残されているように思います。